特別受益・寄与分の時的限界と相続登記の義務化
遺産相続の基礎知識
2023/10/20
旧民法(明治31年7月16日から昭和22年5月2日までの間に施行されていた民法)における相続制度は、「家督相続」(戸主の地位を承継した長男が単独で財産を相続する方法)が原則とされていました。しかし、戦後の日本では個人の尊重や法の下の平等が重視されるようになり、相続においても「家」から「個人」への相続という考え方が採用されるようになったことから、相続制度は、現在の「法定相続」に改められました。
この法定相続に基づく相続分は、相続が発生した時期によって異なります。
そこで今回は、法定相続分の変遷について説明をしたいと思います。
目次
配偶者 1/3
直系卑属 2/3
配偶者 1/2
直系尊属 1/2
配偶者 2/3
兄弟姉妹 1/3
※配偶者以外の相続人が複数の場合は、各相続分は原則として同じ(ただし、非嫡出子は嫡出子の1/2)
※直径卑属の場合、代襲・再代襲あり
配偶者 1/3
直系卑属 2/3
配偶者 1/2
直系尊属 1/2
配偶者 2/3
兄弟姉妹 1/3
※配偶者以外の相続人が複数の場合は、各相続分は原則として同じ
(ただし、非嫡出子は嫡出子の1/2、半血の兄弟姉妹は全血の1/2)
※直径卑属及び兄弟姉妹の場合、代襲・再代襲あり
配偶者 1/3
子 2/3
配偶者 1/2
直系尊属 1/2
配偶者 2/3
兄弟姉妹 1/3
※配偶者以外の相続人が複数の場合は、各相続分は原則として同じ
(ただし、非嫡出子は嫡出子の1/2、半血の兄弟姉妹は全血の1/2)
※子及び兄弟姉妹の場合、代襲・再代襲あり
配偶者 1/2
子 1/2
配偶者 2/3
直系尊属 1/3
配偶者 3/4
兄弟姉妹 1/4
※配偶者以外の相続人が複数の場合は、各相続分は原則として同じ(ただし、半血の兄弟姉妹は全血の1/2)
※子の場合、代襲・再代襲あり
※兄弟姉妹の場合、代襲あり(再代襲なし)
なお、最高裁H25.9.4決定により、非嫡出子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする規定は遅くとも平成13年7月当時においては違憲と判断されたため、同月以降に発生した相続で遺産分割未了の場合の法定相続分は、嫡出子と非嫡出子で同じ割合となります。
その後、平成25年12月11日施行の改正民法により、嫡出子と非嫡出子の法定相続分は、立法上も同等と改正され、現在に至っています。
【参照】
法務省ホームページ:「民法の一部が改正されました」
以上が、法定相続分の変遷となります。時代の変化とともに、配偶者の相続権をより強く保護しようとの立法政策が窺えますね。
なお、法定相続分とは異なる割合で相続させたい場合には、遺言により相続分を指定するという方法が考えられますが、兄弟姉妹以外の相続人には遺留分が認められますので、どのような遺言内容とするかについては、一度、専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか。
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